ボーリング調査技術

ボーリング調査、やぐらのイメージ

土木・建築構造物の設計・施工には原位置での地層構成、支持層や地下水の情報が欠かせません。ボーリング調査は、建設工事すべての分野に適用できる汎用性の高い地盤調査法であり、各種原位置試験とサンプリングの組み合わせで、精度の高い地盤情報を把握することができます。

次の項で、阪神コンサルタンツのボーリング調査から「コアリング調査」と「大深度掘削調査」の技術についてご紹介いたします。

コアリング調査(礫径調査)

自社開発のコアチューブ、オペレーターの技術向上などにより、未固結礫層の不撹乱試料の採取が可能となりました。このようなボーリング・コアに基づいて、断層の活動性に関する調査も行っています。

ボーリングコア
ボーリングコア
メタルビットおよび
シングルコアチューブ
メタルビットおよびシングルコアチューブ
採取された礫
>採取された礫の写真

大深度掘削調査(さく井工事)

通常の建築物や土木構造物の基礎地盤調査の場合、ボーリングで掘削する深さは、ほとんど100m以内で充分です。しかし都市全体の防災対策のための地震動予測を実施するような場合、より大深度,すなわち基盤岩と言われる地盤に達するまでの地質情報が必要となります。この場合、特殊で大規模な掘削工法が要求されます。
以下に京都盆地の地下構造調査を例にご説明します。

■ 京都盆地の地下構造調査
京都盆地での大深度掘削調査の様子

京都盆地で基盤岩が最も深いところは、昭和16年(1941)まで巨椋池だった付近で、約800mくらいとなっています。また、大阪平野でのそれは湾岸部で1500mくらいとなっています。これらの深さの調査を行うには、通常の土木建築で行われているような鉄製パイプ(ロッド)を継ぎ足して進めていく方法ではなく、先端部分だけをワイヤで迅速に昇降させて高い掘削効率を確保できるワイヤライン工法で行います。

資機材は大掛かりになりますが、深い掘削の場合には有力な方法です。


京都盆地の地下構造調査(京都市)では、市街地の3箇所で基盤岩に達する大深度掘削調査を行いました。これにより、盆地に堆積した地層のほぼすべてを確認することができ、京都盆地の形成史を考える上で重要な情報を得ることができました。

KD柱状図